大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(あ)2181 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人田中蔵六の上告趣意第一点について。

所論は、違憲をいう点もあるが、その実質は単なる刑訴法違反の主張であつて、

刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(なお刑訴三二一条一項二号但書にいわゆる

特信情況の存するかどうかの判断は、結局事実審裁判所の裁量に委されている事項

であり、かつ必しも外部的な特別の事情によらなくても、その供述の内容自体によ

つてなすことができると解することは、当裁判所の判例とするところである〔昭和

二六年(あ)第一一一一号同年一一月一五日第一小法廷判決、集五巻一二号一三九

三頁。昭和二五年(あ)第一六五七号同二八年七月一〇日第二小法廷判決、集七巻

七号一四七四頁。昭和二九年(あ)第一一六四号同三〇年一月一一日第三小法廷判

決、集九巻一号一四頁各参照〕。従つて原判決の判示するところは正当である。ま

た刑訴四四条一項にいう「裁判の理由」とは、主文のよつて生ずる理由を指すので

あつて、証拠上の理由のごときはこれに含まれないと解すべきであるから、有罪判

決において、所論のように、何故にある証拠を採用し他の証拠を排斥したかの理由、

あるいは採用した証拠の証明力の判断についても必しも一々これを判示することを

要するものではない。されば原判決に所論のような違法もない)。

同第二点について。

所論は、量刑不当の主張にすぎず、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。また

記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で

主文のとおり決定する。

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昭和三二年六月一八日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 小 林 俊 三

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

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